はじめに
2025年やることリストに記載の通り、基本情報技術者試験に挑戦し、運よく合格できました。
私はいわゆる“非IT業界”で働くメカエンジニアです。しかし、Pythonを独学で学び、趣味でラズベリーパイをいじっていることもあり、何となくITの世界に興味を持っていました。職場では最近「アジャイル」や「スクラム」といった単語がちらほら聞こえてくるようになりましたが、正直どれもよくわからず。「これは基礎から学ばないとまずい」と思い、2025年4月から基本情報技術者試験(FE)の勉強を始めました。
この記事では、非ITの立場から見たFE試験の体験や学び方、試験本番での気づきをまとめておきます。これから受験される方の参考になれば幸いです。
E試験とは?誰に向いている?
基本情報技術者試験(FE)は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験で、ITエンジニアとして必要な基礎知識や技術力を問うものです。対象者像は「高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身につけた者」とされています。
試験は以下の2部構成です
- A試験(選択式問題):IT基礎理論、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データベース、セキュリティ、プロジェクトマネジメントなど、幅広い分野から出題されます。1000点満点で600点以上で合格。
- B試験(プログラミング的思考力を問う実践問題):主に擬似言語を用いたアルゴリズム問題や、業務に関する簡単なシステム設計・計算問題などが出題されます。1000点満点で600点以上で合格。
- 科目A、科目Bの両方が合格点に達していないといけません
私のように非IT業界でITリテラシーを高めたい方に有用な資格です。
一方で、IT業界では基礎とされているレベルですので、就職や転職に有利というわけではなさそうです。
独学スケジュールと学習ステップ
- 4月:教本2冊と顧問道場で勉強開始。完全に手探り。
- Pythonの基礎はあるものの、IT用語や計算問題には戸惑大
- n進数の計算などは都度ネットで調べて対応するレベル
- 5月末:第1回目の受験。結果は不合格(650点 / 560点)
- A問題は確実にわかる問題と勘で書いた問題が6対4程度。B問題は5対5程度で、全く手応えなし。
- 多くの問題で「文脈から推測」して答えていた
- 7月頭:第2回目の受験。結果は合格(730点 / 640点)
- 知らない単語も、知っている知識を使って消去法で正解に近づけるように。
- B問題も、読解力と知識がかなり補強され、落ち着いて解けるように。ただ、悩ましい問題も数問あり、完全ではないと実感。
A問題(選択式)への対策方法
いきなりやってください。最新の過去問を模擬試験モードで60問頑張ってください。
できるできないは不問です。適当に選んで、偶然正解しないほうがむしろ良いです。
どんな問題が出題されているのか?それだけに注目して60問頑張ってください
1日30~60分程度、時間を区切って取り組んでください。
紹介したテキストは、20章程度ありましたので、1日に3章程度進めれば1週間で終わります。
取り組み方は、解説部分をしっかり読む+章末の問題を3分/問程度で区切ってチャレンジしてみるです。
テキスト2周目に入ります。ここからは章末問題だけで良いです。
ただし、正解を選ぶのではなく、不正解の選択肢に理由がつけられるか?という観点で実施してください。
わからなかったら解説に戻り、暗記してください。
過去問道場では「分野を選択して出題」の機能を活用し、どんどん数を消化してください。
2周目と同じことをします。章末問題だけに取り組んでください。今回は間違えたものだけをノートに書き出してください。今後は基本テキストではなく、ノートだけを利用すればOKですが、時間がたつと他の項目を忘れてしまう場合があるので、過去問道場での消化試合とテキストの巻末に用語集がありますので、そちらを眺めておきましょう。
A問題では、過去問を解くことが重要ですが、それだけでは不十分でした(1回目不合格)。
必要だったのは、「間違っている選択肢にも理由をつけて消す練習」をすることでした。
ひどい話ですが、本試験ではテキストや過去問道場で見た記憶のない単語がかなり出ます。その場合、単に「なんとなく違う」ではなく、「この用語の定義はこうだから違う」と消去できる力が必要です。
過去記事も参考に

B問題(午前試験+アルゴリズム問題)への対処
前提:わたしはある程度、プログラムの構文(forやwhileの使い方)は理解済。
B問題は「プログラムが書けるかどうか」よりも、「問題の意図を理解できるか」が重要だと感じました。
過去問を見る限り、よく出るテーマとしては
- 魔法陣の計算
- スタック操作
- 最大公約数の計算
などがありますが、これらは「何を求められているのか」「どういう処理をしているのか」を知っていれば解ける問題が多いです。逆に言うと知らなければかなり(時間が)厳しいです。
確実に過去問を実施してください。過去問道場よりテキストやyoutubeが良いと思います。
最初は、「問題そのもの解き方」ではなく、「アルゴリズム自体の理解」に主眼をおいたほうが良いと思います。
たとえば、最大公約数問題は、mod計算をするものと引き算を活用する2種類があります。(本質的には同じこと)
これらのしくみを知っていれば、答えから逆算してアルゴリズムを考えることができますので、かなり有利です。
これから挑戦する方へ
職場で「スクラムって何?」「アジャイルってどういう意味?」と思っていた頃と比べ、今では「それってこういう考え方だよな」と少しずつ理解できるようになってきました。
この試験を通して得た知識は、今後の業務でも必ず活きてくると信じています。ITが特別なものではなく、“使える道具の一つ”として身についた感覚があります。
もし、私のように非ITだけどITに興味がある方がいたら、ぜひFE試験に挑戦してみてください。
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