マネジメント研修で学んだこと①|マネージャーに必要な対話力と感情の扱い方

目次

はじめに

マネジメント研修を受けて、マネージャーに必要な対話力と感情の扱い方について学びました。

今回特に印象に残ったのは、マネージャーの仕事は単に指示を出すことではなく、相手が納得して行動できる状態を作ることだという点です。

この記事では、研修で学んだ「情報の4段階」「会話・対話・議論・行動の違い」「共感と感情の言語化」「部下を褒める重要性」について、忘れないように整理します。

情報には4つのレベルがある

研修の最初に、情報にはレベルがあるという話がありました。情報は、次の4段階に分けられます。

レベル内容説明
レベル1現象起きたことそのもの
レベル2情報現象に意味を加えたもの
レベル3知識情報に理解を加えたもの
レベル4知恵知識に実践や再解釈を加えたもの

たとえば、職場で何かトラブルが起きたとします。

「トラブルが起きた」という事実そのものは、レベル1の現象です。
そこに「なぜ起きたのか」「どのような影響があるのか」という意味が加わると、レベル2の情報になります。
さらに、その情報を理解し、他の場面でも使える形に整理できると、レベル3の知識になります。
そして、その知識を実際の行動に活かし、自分なりに再解釈できるようになると、レベル4の知恵になります。

ここで大事なのは、マネージャーは部下に情報を渡して終わりではないということです。

部下が情報を受け取り、それを知識として理解し、最終的には実践できる知恵に変えていく。
その状態を作ることも、マネージャーの役割なのだと感じました。

マネージャーは情報を知識や知恵に変える支援をする

仕事では、情報共有という言葉をよく使います。
しかし、情報を共有しただけでは、人は必ずしも動けません。
情報を受け取った側が、その意味を理解し、自分の仕事にどう活かすかまで考えられて、初めて行動につながります。

つまり、マネージャーが意識すべきなのは、単なる情報共有ではありません。
大事なのは、

  • 何が起きているのか
  • それは何を意味しているのか
  • そこから何を学べるのか
  • 次にどう行動すればよいのか

という流れを作ることです。
情報は積極的かつ効果的に配るものです。マネージャーは積極的に情報を取りに行き、翻訳してから配るのです

部下が情報を知識に変え、さらに知恵として使えるようにするための問いかけや対話が必要になるということです。

増やしたいのはギバーとオーナー

研修では、増やしたい人材像として「ギバー」と「オーナー」という言葉も出てきました。

ギバーとは、周囲に価値を提供できる人です。
単に人に尽くすという意味ではなく、自分を実験台にしてもよい、周囲に学びを提供してもよいと考えられる人です。「与える人が、結果的に最も得る」という考え方に近いと思います。

一方、オーナーとは、この場やこの機会の価値を高めるのは自分だと考えられる人です。たとえば、研修や会議や面談の場で、ただ座って話を聞くだけではなく、

  • 自分から質問する
  • 必要なことをリクエストする
  • 場の価値を高めようとする
  • その機会を最大限に使おうとする

こういう姿勢を持てる人です。

マネージャーの役割は、指示待ちの人を増やすことではありません。
ギバーやオーナーのように、自分から価値を作りにいける人を増やすことが大事なのだと学びました。

言語化できる人が成長する

ギバーやオーナーのような人を増やすためには、言語化が大事になります。
特に重要なのは、具体と抽象を行き来することです。

具体化するときには「例えば」と言えること。
抽象化するときには「つまり」と言えること。

この2つを使えると、自分の考えを整理しやすくなります。たとえば、何か問題が起きたときに、

「例えば、今回の会議では〇〇が起きていた」
「つまり、役割分担が曖昧だったということだ」

というように、具体的な出来事と、そこから見える本質を行き来できるようになります。マネージャー自身も、部下に対して「なんとなく分かってほしい」ではなく、期待や考え方を言葉にする必要があります。

言語化できないものは、相手に伝わりません。
そして、相手に伝わらないものは、行動にもつながりません。

会話・対話・議論・行動には順番がある

今回の研修で特に印象に残ったのが、会話・対話・議論・行動の違いです。これらは似ているようで、役割が違います。順番としては、次のようになります。

  1. 会話
  2. 対話
  3. 議論
  4. 行動

いきなり議論しようとしても、うまくいきません。
なぜなら、議論の前には対話が必要で、対話の前には会話が必要だからです。

会話はポジティブな関係を作るためのもの

会話は、相手とポジティブな関係を作るための手段です。

仕事の中では、すぐに本題に入りたくなることがあります。
しかし、そもそもポジティブな関係ができていない相手とは、深い話はできません。

会話ができていない状態で、いきなり対話や議論をしようとしても、相手は本音を出してくれないかもしれません。

だからこそ、まずは会話が必要になります。

会話は、単なる雑談ではありません。
相手が安心して話せる関係を作るための土台です。

対話は互いの違いと感情を知ること

対話は、互いの考え方や感情の違いを知ることです。

相手は何を考えているのか。
何を不安に思っているのか。
何を大事にしているのか。
どこに違和感を持っているのか。

こうしたことを知るのが対話です。
対話では、相手に同意する必要はありません。
しかし、相手がそう感じていることを理解しようとする姿勢は必要です。

ここで大事なのが、感情です。

人は、正論だけでは動きません。
どれだけ論理的に正しいことを言っても、感情面で納得できなければ、行動にはつながりにくいです。

議論は仮説に基づいて意思決定すること

対話ができて初めて、議論ができます。議論とは、お互いの仮説に基づいて意思決定することです。

「自分はこう考えている」
「相手はこう考えている」
「では、どちらの前提が妥当なのか」
「次に何をするべきなのか」

このように、お互いの考えを出し合いながら意思決定していくのが議論です。

ただし、対話ができていない相手とは、建設的な議論はできません。
相手の考えや感情を理解しないまま議論すると、ただの押し付けや説得になってしまいます。

行動は、会話・対話・議論の先にある

マネージャーとして部下に動いてもらいたい場面は多くあります。
しかし、行動だけを求めても人はなかなか動きません。

行動の前には、意思決定が必要です。
意思決定の前には、議論が必要です。
議論の前には、対話が必要です。
対話の前には、会話が必要です

つまり、人を動かしたいなら、まず関係性を作る必要があるということです。
この順番を忘れないようにしたいと思いました。

マネージャーは結論を急がない

対話で大事なのは、結論を急がないことです。相手の話を聞いている途中で、

「つまりこういうことですね」
「それは違います」
「こうすればいいです」

とすぐに評価したり、結論を出したりすると、相手は話しにくくなります。

マネージャーは、つい答えを出したくなります。
経験があるほど、相手の話を聞きながら「それならこうすればいい」と思ってしまいます。
しかし、それでは相手の本音や感情を聞く前に、こちらの判断を押し付けることになってしまいます。

結論を急がない。
すぐに評価しない。
違いを楽しむ。
自分のバイアスを意識する。

これらは、対話をするうえで非常に大事な姿勢だと学びました。

自分のバイアスを意識する

マネージャーは、自分の経験や価値観で相手を判断しがちです。

「自分ならこう考える」
「前にも似たようなことがあった」
「たぶん相手はこう思っているはずだ」

こうした考え方は、経験があるからこそ出てきます。しかし、それがいつも正しいとは限りません。
相手の感情や考え方を、自分の経験や思い込みで推し量ってしまうと、本当の対話にはなりません。

大事なのは、我流で考えないことです。自分の価値観だけで判断しないことです。
相手の話を聞くときは、自分の頭だけで勝手に想像しない。まずは聞く。相手の言葉を受け取る。

これを意識したいと思いました。

共感と同感は違う

対話では、共感が大事になります。ただし、共感は同感とは違います。

同感は、「私もそう思う」ということです。
一方で共感は、「あなたはそう感じているのですね」と理解しようとすることです。
つまり、相手と同じ意見になる必要はありません。

相手の考えに賛成できなくても、相手がそう感じていることを理解しようとする。それが共感です。

また、研修では「許容するのではなく、受容する」という話もありました。
何でも許すということではありません。まずは、相手がそう感じているという事実を受け止める。

正そうとする前に、分かろうとする。

この姿勢が、対話には必要なのだと学びました。

マネージャーは自分の感情に自覚的になる必要がある

相手の感情を理解するためには、まず自分の感情に自覚的である必要があります。研修では、感情を言語化することが大事だと学びました。たとえば、次のように考えます。

「私は〇〇という感情を抱いている」
「なぜなら、私は〇〇という願いを持っていたからだ」

感情の奥には、多くの場合、自分の願いや期待があります。

怒りがあるなら、そこには「本当はこうしてほしかった」という願いがあるかもしれません。
不安があるなら、そこには「失敗したくない」「安心したい」という願いがあるかもしれません。
残念だと感じるなら、そこには「期待していた」という気持ちがあるかもしれません。

自分の感情を言葉にできなければ、感情に振り回されやすくなります。
そして、自分の感情が分からない人は、相手の感情にも共感しにくくなります。

マネージャーは感情的になってはいけません。
しかし、感情をなくすことはできません。

だからこそ、自分の感情に自覚的になる必要があるのだと思いました。

イノベーションの源泉は共感である

研修では、イノベーションの源泉は共感だという話もありました。これはとても印象に残りました。新しい価値は、相手の困りごとや満たされていないニーズを理解するところから生まれます。

相手は何に困っているのか。
何が満たされていないのか。
どんな不満や違和感を持っているのか。

こうしたことを、相手の目線に近づいて理解する。これは「虫の目」で見るという考え方にもつながります。

遠くから全体を見るだけでは、相手の本当の困りごとは分かりません。相手の近くまで寄って、具体的に見る必要があります。

マネジメントにおいても、イノベーションにおいても、共感は重要なのだと学びました。

人間はネガティブを記憶しやすい

人間は本能的にネガティブなことを記憶しやすい、という話もありました。これは、人間が生き残るために必要だった性質です。
嫌なこと、危険なこと、失敗したことを記憶しておかなければ、次に同じ危険を避けることができません。
だから人間は、良いことよりも悪いことを強く覚えやすい。

仕事でも同じです。

良いことがいくつもあっても、一つ悪いことがあると、その悪いことばかりが印象に残ることがあります。
だからこそ、マネージャーは意識して部下を褒める必要があります。

褒めることは、良い行動を忘れさせないための支援

褒めることは、単なるご機嫌取りではありません。良い行動や成果を、本人がきちんと認識できるようにするための支援です。人はネガティブを記憶しやすいからこそ、良かったことを意識的に言葉にする必要があります。

「今回の進め方はよかった」
「この資料の整理は分かりやすかった」
「早めに相談してくれたのが助かった」
「この判断は良かった」

こうして言葉にすることで、部下は自分の良い行動を認識できます。そして、その行動を次も再現しやすくなります。

褒めることは、マネージャーの大事な仕事なのだと思いました。

人を褒めて、ことを指摘する

研修では、「人を褒めて、ことを指摘する」という話もありました。これはとても実践的な考え方です。

褒めるときは、人に向けて褒める。指摘するときは、人格ではなく、行動や事象に向ける。

たとえば、悪い指摘の仕方は、「あなたはいつも雑だ」という言い方です。
これは人を否定しています。一方で、

「今回の資料では、前提条件の記載が不足していた」
という言い方なら、指摘しているのは人ではなく、資料という事象です。

改善してほしいことがあるときほど、人ではなく「こと」に焦点を当てる必要があります。

マネージャーは、相手の人格を否定するのではなく、改善すべき行動や事象を指摘する。
これは忘れないようにしたい考え方です。

仕事そのものは選べなくても、やり方は選べる

仕事では、やることそのものを自由に選べない場面が多くあります。

会社の方針、部署の役割、顧客の要求、納期。
そうした条件の中で、やるべきことは決まってしまうことがあります。

しかし、やり方は選べます

どう意味づけするか。
どう進めるか。
どう周囲を巻き込むか。
どう前向きに取り組める状態を作るか。

ここにマネージャーの工夫があります。

やることは変えられなくても、やり方は変えられる。
この考え方で部下をモチベートしていくことも、マネージャーの役割なのだと思いました。

まとめ:人を動かす前に、対話できる関係を作る

今回の研修で学んだことを一言でまとめるなら、マネージャーは人を動かす前に、対話できる関係を作る必要があるということです。

情報を渡すだけでは、人は動きません。
情報は、ただ渡すものではなく、相手が理解できる形に翻訳して配るものだと学びました。
正論を言うだけでも、人は動きません。
指示を出すだけでも、納得感のある行動にはつながりません。

まず会話によって関係性を作る。
対話によって相手の考えや感情を知る。
議論によって意思決定する。
その結果として、行動につながる。

この順番を忘れないようにしたいです。

また、相手の感情を理解するためには、自分自身の感情にも自覚的である必要があります。
自分の感情を言語化し、自分のバイアスを意識し、相手を正そうとする前に分かろうとする。

マネジメントは、仕事を管理するだけではなく、人の感情や関係性を扱う仕事でもある。
今回の研修を通じて、そのことを強く学びました。

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