【統計検定2級】試験前日に読む!最短合格のための解き方・考え方まとめ

目次

はじめに

この記事は理論を学ぶ記事ではありません。統計検定2級に合格するための「試験での考え方」をまとめた記事です。勉強を続ける中で気付いたのは、「公式を暗記すること」よりも「どの問題で何を考えるか」を知ることが重要ということです。
この記事では、試験中に私が実際に考えていたことをまとめています。

試験開始30秒で考えること

統計検定2級では、公式を思い出す前に、まず次のことを考えます。

① 何を求める問題なのか?

まずここです。ほとんどの問題は、

  • 母平均
  • 母比率
  • 母分散

この3つのどれかです。例えば「平均点」なら母平均。
支持率、不良率、出口調査なら母比率。
ばらつき、品質、等分散なら母分散。

ここが分かれば、使う分布はほぼ決まります。

②どの標本分布を使う?

ここは丸暗記でも構いません。

求めたいもの使う分布
母平均(σ既知)標準正規分布
母平均(σ未知)t分布
母比率標準正規分布
母分散χ²分布
分散比F分布

この表を思い出せれば十分です。

③ 基本統計量を計算する

私は試験中、公式ではなくこれだけ考えていました。

推定値 − 帰無仮説値 / 標準誤差

これが検定統計量の本質です。例えば

母平均

xˉμ0SE\frac{\bar{x}-\mu_0}{SE}

母比率

p^p0SE\frac{\hat{p}-p_0}{SE}

回帰係数

β^0SE\frac{\hat{\beta}-0}{SE}

実は全部同じ形です。公式を一つずつ暗記するより、

推定値が帰無仮説から標準誤差いくつぶん離れているか

を計算しているだけだと考えると覚えやすくなります。これは私が勉強中に一番理解が進んだポイントでした。

④ 付表を見る

最後に付表を見ます。ここで重要なのは、付表は「どれくらい珍しいか」を見るためのものということです。
例えば 95%→±1.96は「ここより外はかなり珍しい」という境界です。

ただし、ここで私も何度も間違えました。t検定なのに何も考えず1.96を使ってしまうというミスです。
試験中は

今見ているのはZ表? t表? χ²表?F表?

を必ず確認しましょう。

ベイズの定理は公式を書かない

ここは試験対策として一番おすすめしたい方法です。参考書では
P(AB)=P(BA)P(A)P(B)P(A|B)= \frac{P(B|A)P(A)} {P(B)}
を覚えるように書かれています。もちろん間違いではありません。
しかし、試験では表を書いた方が速く、ミスも減ります。

工場A・B問題

例えば工場Aと工場Bとの生産割合、それぞれの不良率が与えられたら、以下のような表を書きます。

良品不良品合計
工場A
工場B
合計

中を埋めてしまえば簡単な計算だけで答えを求めることができます

ガン検査問題

これも同じです。多くの人は”人数が書いてない”と焦ります。
しかし、10000人いると仮定すれば解けます。

例えば

  • 有病率1%
  • 感度90%
  • 偽陽性率5%

ならまず10000人を置きます。すると100人、9900人になります。
あとは先ほどと同じ要領で表を埋めるだけです。

球を取り出す問題

色付きの球を取り出す問題は頻出です。試験では「取り出した後、戻すかどうか」を必ず確認してください。
戻すか戻さないかで確率が変わります。また、期待値を聞かれることも多いので、焦って暗算せず、それぞれの確率を一度書き出してから計算するとミスが減ります。

対戦順の確率問題

これもよく出ます。例えば「3試合で2連勝する確率」という問題。
ポイントは2連勝するなら2試合目は必ず勝つということです。
つまり、一番勝ちやすい相手を2試合目に置くのが最適です。

この考え方に気付けば、長い計算をしなくても選択肢を選べることがあります。

正規分布の問題は「まず標準化」

正規分布の問題は毎年のように出題されます。例えば

確率変数 XXX は正規分布 N(3,4)N(3,4)N(3,4) に従う。

P(−1<X≤4) を求めよ。

という問題です。最初は「どこから手を付ければいいんだろう…」と思っていました。
しかし、やることは一つです。まず標準化します。

不等号も一緒に変換する

標準化するときはZ=XμσZ=\frac{X-\mu}{\sigma}

を使います。ここで大切なのは不等号も一緒に変換すること。
例えばP(1<X4)P(-1<X\le4)

なら、左も右も

  • 平均を引く
  • 標準偏差で割る

という処理をします。そうすると標準正規分布の問題になります。つまり付表を見るだけです。

上側確率に注意

統計検定2級で使われる付表は上側確率になっていることが多いです。
そのため、そのまま答えを書くのではなく、1から引く計算が必要になることがあります。
ここはよく間違えるポイントです。

出口調査の問題

出口調査は頻出です。例えば

1000人に出口調査をしたところ、

520人が候補Aに投票した。

という問題。まず求めるものは標本比率です。p^=5201000=0.52\hat p=\frac{520}{1000}=0.52

分散は丸暗記

ここは覚えてしまいましょう。V(p^)=p(1p)nV(\hat p) = \frac{p(1-p)}{n}

標準誤差はSE=p(1p)nSE= \sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}

です。試験では何度も出てきます。

両側確率を忘れない

例えばP(p^p0.03)P(|\hat p-p|\le0.03)

という問題なら、左右両方の確率です。絶対値が出てきたら両側を考えることを忘れないようにしましょう。

電気代問題

例えば、”去年6月より今年6月の電気代が800円以上高い確率”という問題。
ポイントは比較しているのは6月と6月ということです。つまり去年も今年もそれぞれ独立に取り出したデータになります。

分散は足し算

去年の分散:σ2
今年の分散:σ2
それぞれのバラツキがたされるため、2σ2 になります。

線形変換は丸暗記でもOK

ここは確実に覚えましょう。それだけで得点できます。

期待値

E(aX+b)=aE(X)+bE(aX+b) = aE(X)+b

分散

頻出です。V(aX+b)=a2V(X)V(aX+b) = a^2V(X)

係数が二乗になります。共分散と混同してしまいがちなので要注意です。

共分散

共分散は係数は掛け算です。Cov(aX+b,cY+d)=acCov(X,Y)Cov(aX+b,cY+d) = acCov(X,Y)

例えばCov(3X2,2Y4)Cov(3X-2,-2Y-4)

なら3×(2)=63\times(-2) = -6

なので6Cov(X,Y)-6Cov(X,Y)

共分散は分配できる

これも頻出です。例えばCov(X1,X1+X2+X33)Cov\left(X_1,\frac{X_1+X_2+X_3}{3}\right)

まず13\frac13

を外へ出します。そのあと共分散を分配します。
=13{Cov(X1,X1)+Cov(X1,X2)+Cov(X1,X3)}= \frac13 \{ Cov(X_1,X_1) + Cov(X_1,X_2) + Cov(X_1,X_3) \}

ここは分配法則が使えると覚えてしまって大丈夫です。

分散も展開できる

こちらも頻出です。V(X+Y)=V(X)+V(Y)+2Cov(X,Y)V(X+Y) = V(X) + V(Y) + 2Cov(X,Y)

3変数になるとV(X+Y+Z)V(X+Y+Z)

となり、共分散が3組出てきます。この公式は丸暗記してしまった方が早いと思います。

相関係数

相関係数はr=Cov(X,Y)V(X)V(Y)r = \frac{Cov(X,Y)} {\sqrt{V(X)V(Y)}}

です。試験では線形変換後の相関係数がよく出ます。

例えばr(3X2,2Y4)r(3X-2,-2Y-4)

では係数の積3×(2)=63\times(-2) = -6

がマイナスなので符号だけ反転します。逆に係数の積がプラスなら相関係数は変わりません。

よく出る公式

分散

V(X)=E(X2)E(X)2V(X) = E(X^2)-E(X)^2つまり

分散=二乗の平均−平均の二乗

推定と検定は何が違うのか?

統計検定2級では推定検定が混ざって出題されます。
最初は私も違いが分かりませんでした。しかし、やっていることは全く違います。

分散分析とは「グループに差があるか」を調べること

例えば、Aクラス、Bクラス、Cクラスの平均点が違うかどうか。
3つ以上のグループを比較するときは分散分析を使います。

推定

推定とは

「どのくらいの値になりそうか」

を求めることです。例えば手持ちのデータで計算すると支持率52%
であれば、全国では50〜54%くらいかな?というように範囲(信頼区間)を求めます。

検定

検定とは

「本当に差があるのか?」

を判断することです。例えば去年52%、今年55%。
この3%は偶然なのか?本当に増えたのか?これを判断します。

母比率の推定

出口調査などでよく出題されます。例えば北海道沖縄で野球をしている人の割合を調べたとします。

試験では最後に

日本全体では何%くらいか?

という問題になります。

全体の比率

これは人口で重み付けします。

つまり北海道人口×北海道割合+沖縄人口×沖縄割合北海道人口+沖縄人口\frac{ 北海道人口×北海道割合 + 沖縄人口×沖縄割合 } { 北海道人口+沖縄人口 }

です。平均ではありません。人口で重み付けすることがポイントです。

標準誤差

調査には誤差があります。そのため標準誤差を求めます。

試験ではSE=w12p1(1p1)n1+w22p2(1p2)n2SE= \sqrt{ w_1^2\frac{p_1(1-p_1)}{n_1} + w_2^2\frac{p_2(1-p_2)}{n_2} }

の形になります。ここは少し複雑なので何度も計算練習することをおすすめします。

信頼区間のよくある問題

例えば

信頼区間幅を6%以下にしたい

という問題。ここで重要なのはということ。
例えば±3%なら幅は6%です。つまり最後に2倍することを忘れないようにしてください。

母比率pが分からない

試験では母比率が未知という問題もあります。そんなときはp=0.5p=0.5

として計算します。これが最も安全です。

池の魚問題

これは統計検定2級らしい問題です。例えば池に300匹マーキングしました。そのあと200匹捕まえたところ20匹マーキングされていました。

まず何を求めた?

ここで分かるのは標本比率です。p^=20/200=0.1\hat p = 20/200 = 0.1

つまりマーキングされた魚が捕まる確率は10%くらいです。

信頼区間を作る

次に95%信頼区間を作ります。誤差は1.96p(1p)n1.96 \sqrt{ \frac{p(1-p)}{n} }

です。ここまでは出口調査と同じです。

池全体の魚は?

ここがポイントです。池全体をN匹とするとマーキング率は
300/N300/N

になります。一方調査では約10%でした。つまり
300/N=0.1300/N = 0.1

くらい。なのでNは約3000匹と推定できます。さらに信頼区間を使えばNも範囲で求められます。

母比率の検定

今度は推定ではなく検定です。例えば去年今年のアンケート結果を比較します。

やること

比率の差を求めます。そのあと標準誤差を求めます。
ここで人数が違うことに注意。例えば去年500人今年800人なら両方の人数を使います。

試験ではSE=p(1p)n+p(1p)mSE = \sqrt{ \frac{p(1-p)}{n} + \frac{p(1-p)}{m} }

という形が頻出です。

区間に0が入る?

これは非常に重要です。例えば95%信頼区間が0.010.05-0.01 ~ 0.05

だったとします。信頼区間の中に0が入っています。つまり差があるとも差がないとも言えません。

逆に0.020.080.02 ~ 0.08

なら全部プラスです。つまり去年より明確に増えたと言えます。これは試験でもよく問われます。

母平均の検定

ここはt検定です。私は何度も1.96を使ってしまいました。しかし母分散未知ならt分布です。

片側と両側

これも頻出です。見分け方は簡単。対立仮説が”≠”なら両側検定です。そこだけ見てOKです

母平均の差の検定

ここからは「2つの平均に差があるか?」を調べます。
例えば

  • クラスAとクラスB
  • 去年と今年
  • 男性と女性

などです。

最初にやること

「結局、分散が必要なんだな」と考えればよいです。なぜならt値を求めるには分母に標準誤差が必要だからです。
そのためまず不偏分散を求めます。

不偏分散

偏差平方和を求めて自由度(n−1)で割ります。ここは計算問題としてよく出題されます。

t値

試験で一番忘れやすいのが1n+1m\frac1n+\frac1mn1​+m1​

です。母平均の差では

標準誤差がsp2(1n+1m)\sqrt{ s_p^2 \left( \frac1n+\frac1m \right) }

になります。私は何度も1n+1m\frac1n+\frac1m

を書き忘れました。また、ルートの中に入っていることも忘れないようにしましょう。

対応のあるt検定

例えば刺激を与える前刺激を与えた後の血圧。同じ人を2回測っています。
私は最初前後を別々に考えていました。
しかし試験では差だけ見ます。つまり1人ずつ差を計算します。そのあと

  • 差の平均
  • 差の分散
  • 差の標準偏差

を求めれば終わりです。

自由度

自由度は差のデータ数−1です。例えば10人なら自由度9です。

等分散性の検定

ここはF分布です。例えば2クラスのテスト結果。分散が等しいかを調べます。

F値

ここは簡単です。分散の比そのままです。F=s12s22F = \frac{s_1^2} {s_2^2}

自由度

F分布は分子、分母の順です。例えば20人40人なら自由度は(19,39)になります。
ここは試験で非常に間違えやすいです。

Χ2検定

χ²検定には大きく3種類あります。

適合度検定

例えばサイコロ。本当に公平か。

統計量は(観測値期待値)2期待値\sum \frac{ (観測値-期待値)^2 } {期待値}

です。これをχ²分布表と比べます。

同質性の検定

例えば北海道と沖縄で支持率は同じか?まず分割表を書きます。

期待値

期待値は行合計×列合計総数\frac{ 行合計 \times 列合計 } { 総数 }

です。すべてのセルについて計算します。

統計量

やることは同じです。(観測値期待値)2期待値\sum \frac{ (観測値-期待値)^2 } {期待値}

を計算します。

自由度

ここは丸暗記で構いません。(1)(1)(行-1) (列-1)

帰無仮説

χ²検定では多くの場合帰無仮説は

関係がない

です。計算したχ²値が付表より大きい場合、帰無仮説が棄却され、関係があるとなります。

線形モデル

自由度

ポイントは推定したパラメータ数です。例えば
y=ax+b+εy=ax+b+\varepsilon

なら推定するのはaとbの2つ。したがって自由度はn2n-2

になります。

回帰の自由度

回帰自由度は、説明変数の数
残差自由度は、観測数 − 推定パラメータ数

分散分析

分散分析は「まず表を埋める」と決めていました。

平均平方

MS=SS自由度MS = \frac{SS} {自由度}丸暗記です。

F値

F=MS水準MS誤差F = \frac{ MS_{水準} } { MS_{誤差} }

これも丸暗記です。


p値

私は細かい意味よりこれだけ考えていました。

小さいほど偶然ではない。

つまり0.05未満で帰無仮説棄却です。

分散分析の帰無仮説

ここは重要です。帰無仮説は

すべての水準で母平均が等しい

です。したがってp<0.05なら少なくとも1組で平均が異なります。

おわりに

  • 今、何を求めているのか
  • 平均なのか、比率なのか、分散なのか
  • どの分布を使うのか
  • 基本統計量は何か
  • 付表とどう比較するのか

とにかくこの流れだけです。この記事も、理論をすべて説明したものではありません。
「試験で点を取る」という目的に特化した攻略法としてまとめました。
これから統計検定2級を受験する方の役立てば幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次