はじめに
最近TikTokでよく見る北の達人コーポレーション社長・木下勝寿さんが書いた話題のビジネス書、
『売上最小化、利益最大化の法則――利益率29%経営の秘密』を読みましたのでご紹介します。
この本、ただの経営本じゃありません。
「売上って増やすもんじゃないの?」
そんな常識をあっさり覆してくる、超・実践的な“利益体質経営”の指南書でした。
本書の核となる考え方
多くの企業が「売上を伸ばせば利益も増える」と信じています。
しかし著者・木下さんは、それを真っ向から否定します。
「売上10倍は、リスクも10倍」
大量に売っても、広告費・在庫・人件費…膨らむのは経費ばかり。
逆に、売上が少なくても利益がしっかり残るビジネスを目指すほうが、健全で持続可能だと説明しています。
売れるモノより、“残る利益”を見よ
木下さんが実践しているのは、次のような明確な経営判断軸。
- 「同じ利益なら、売上は少ないほうがいい」
- 「新規顧客より既存顧客が大事」
- 「価値を決めるのはお客さん。売る側じゃない」
どれもシンプルだけど、言うは易し、行うは難し。でもこの本では、それを数値・事例・仕組みでしっかりと説明してくれています。
顧客理解を極める:デモグラとサイコグラの合わせ技
この本の中でもとくに印象的だったのが、マーケティング視点の話。
- デモグラフィックデータ(年齢・性別・収入など) →「誰が買うのか?」
- サイコグラフィックデータ(価値観・趣味・生活様式など) →「なぜ買うのか?」
この“なぜ”の部分を掘り下げないと、広告も商品開発もチグハグになります。
実際、著者は機械学習で「同時購入商品」のパターンを探したけれど、
「ビールとおむつは同時に買われる。理由は、“重いものを週末に車で買いだめしてる”から」
このことに気づいたのは、データじゃなくて生活感からだったんです。ビールとおむつだけの関係をいくら考えてもたどり着かない答えです。
人が変わらないなら、作業を変えよう
経営者やマネージャーにも響くのがこの一節
「部下を変えようとするな。作業を変えよ」
つまり、“理解できる構造”をつくるのがマネジメントの本質。
- 同じ内容を同じ時間に6回聞くと人は理解する。
- 「伝えた」は「伝わった」ではない。
- 業務フローや仕組みの設計が、行動を変える唯一の手段。
人の教育は“仕組みと習慣”で実現するという考え方です。
まとめ:利益体質は、戦略と仕組みで作れる
『売上最小化、利益最大化の法則』は、派手な成長ストーリーではなく、
堅実で本質的な“持続可能な経営”のためのガイドブックです。
- 小さく売って、大きく残す
- 新規より既存
- データより人間理解
- 売上より、価値提供
この考え方を自分のビジネスや職場に取り入れるだけで、
「今までのがんばり方、ちょっとズレてたかも…?」って気づけるかも?
まとめ
最後に、著者の言葉を借りて締めくくります。
「ビジネスとは、どれだけ人の役に立てたかの結果」
売上に目を奪われず、お客様と本気で向き合うことで、利益は自然とついてくる。
この本はそのことを、データと実例で力強く語ってくれます。
ビジネス書など興味ない!という方でも、なるほどと思うところがあると思います。
気になる方は、ぜひ手にとって読んでみてください!
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